2020.11.11
ハーネスの話し
工事現場の近くを通ると、高所作業をしている建設業の方が、身体に安全帯を付けています。
今はそれらを総称して「墜落制止用器具」という名前に変わり、該当する職人さんたちは2021年1月より着用が義務化されることになります。
それに伴って各メーカーさんも新規格のフルハーネスを出してきました。
出だしの頃は品切れが多かったですが最近は数も安定してきていると思うので、お好みのものを選択できそうです。
墜落制止用器具の選び方のポイントが3つあります。
Aメーカーで選ぶ
B形で選ぶ
C色で選ぶ。
D価格で選ぶ
E規格で選ぶ
●タイタン サンコー株式会社さん
ポイント:外観の格好良さ
「命を守るため」からさらに一歩進んで「よりかっこよく、よりスタイリッシュに」
とデザイナーさんを起用していらっしゃいます。
江戸鳶、PANAGAEA、HORIZONなどと名前の付け方もかっこいいです。
●ツヨロン 藤井電工さん
ポイント:規格にあった商品構成
社名の通り、電工関係に強い会社です。まだ墜落制止用器具が安全帯と呼ばれていた頃、カスタム仕様をお願いしておりましたが、(ランヤードの長さを変えるとか、フックの形状をアルミにしてとか)通らず…。官公庁関連に多いのもうなずけます。
●椿モデル
ポイント:価格・シンプル
ユーザーさんが使いやすいように、シンプルな形状、シンプルな価格をとことんとことん考えた商品が多いです。価格で訴求したものについてはもちろん新基準を通った上で、縫製箇所とか、金具の材料などで調整しています。
大まかに分けて、3つポイントがあります。装着したときの背中の部分。
後ろから見てバッテン(X)の形になっているもの(以下X型)と肩から背中中心から足に向かって一つになる(Y)の形になるもの(以下Y型)と2種類あります。
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X型のメリット・デメリット
メリット
腰にかかる負担が軽い
デメリット
腰道具を付ける位置が少ない
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Y型のメリット・デメリット
メリット
胴ベルトに腰道具を装着する面積が広くなる
デメリット
X型に比べて比較的軽い
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X型の主なフルハーネス
・タイタン:PANGAEA、江戸鳶
・ツヨロン:黒影
・NRK
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Y型の主なフルハーネス
・椿モデル:HYF1.5、HYF2.0
・ツヨロン:飛燕
・ポリマーギヤ:3PHN
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販売されているほとんどのフルハーネスは黒になりますが、他の色で作っているところもあります。
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・タジマ
赤、白のライン
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・蕨上田
エンジ、紺
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素材、鋼材を吟味して価格優先で出しているものもあります。
手頃な価格とはいえ、そこに妥協はございません。
・腿部分パススルータイプ
腿を装着するバックル部分にワンタッチバックルとパススルータイプの2種類があります。ワンタッチバックルの場合は価格に反映しており、パススルーの場合は抑えられた価格の場合が多いです。
ただ、総じてワンタッチバックルは重量があるため、あえて軽量のパススルーを選択されるという場合もあります。
・金物の部分
サイズを調整するところにはそれに伴う金具が付いております。
その金具が鉄なのアルミなのかステンなのかで価格帯が変わってきます。
「墜落制止用器具」は落下時に身体を支持する「フルハーネス」(ハーネス本体)、落下を制止して身体を支持するフルハーネスやベルトをつなぐ「ランヤード」(ロープやリール、フック、ショックアブソーバからなる)を合わせたものがフルハーネス型墜落制止用器具になります。
選定ポイントは以下となります。
3はランヤードに関してになりますので、フルハーネスに関しては①と②の要件を満たしたものとなります。
使用製品の取り扱い説明書を読んで、正しく装着してください。
2020.10.30
鳶職人の歴史
高所を華麗に動き回る様から「現場の華」とも称される鳶職。その起源は1400年前の飛鳥時代にまでさかのぼります。
政治家で知られる聖徳太子は、中国から大工道具を輸入し、建築に関わる職人の育成や法隆寺の建設に尽力しました。
彼がつくった建築技術者の組織では、土に関わる職人を左官、木に関わる職人を右官と呼んでいました。
寺社や朝廷の建築物を管理する木工寮という役所が
設立され、その中で最も位の高い役職を「大工」と呼びま
した。もともと大工は、職人の長・上位者という位置づけで使われていました。大工とい
う言葉はここで登場しました。
ちなみに今も使われている「差し金」を考案したのは聖徳太子と言われています。
「大工の神様」言われていたそうです。
建築に関わる木工職人全般を大工と呼ばれるようになると、大工職人の仕事が細分化し
宮大工や建具大工など様々な専門職種が登場しました。
江戸は世界一のリサイクル社会でもあったためか、職人の種類は140もありました。大工はさらに細かく分類されるようになり、堂宮大工(略して宮大工)、商人の商家などの町大工、家大工、屋形大工という区分もあり、船大工、車大工、水車大工、機(はた)大工、農具大工、遊郭大工というものもあったそうです。
江戸時代を象徴するような職業が大工です。宮大工、家具大工、船大工など、大工もさまざまに分類されます。建築全般に関わる職人を、江戸時代では大工と括っていました。
そんな大工ですが、町民の給料が300文だったのに対し彼らは540文だったそうで、かなりの高給取りでした。
代表的な職なのにはまだ理由があります。鳶職人にはもう一つの顔がありました。それは火消しです。木造建築が立ち並ぶ江戸の町は頻繁に大火事が起こったため、家屋の構造に詳しい鳶職人たちが現場に駆けつけ、周囲の家々を破壊し被害を最小限に留めていたそうです。落語がひんぱんに大工を描くわけです。
(ちなみに、火消しの際 にも使った「鳶口」という道具から「鳶職人」と呼ばれるようになったといいます)。こ うした活躍もあって、左官、大工、とびは、「華の三職」と呼ばれていました。
https://www.amazon.co.jp/dp/B00CFVL9Z2/
大工に限らず、一人前の職人になるには長い修行が不可欠です。江戸の場合、子供は寺子屋に通い、ある程度読み書きができるようになったら親方のところで働き始めます。しかしすぐに仕事は教えてもらえず、親方や兄弟子の仕事を見ながら少しずつ覚えていきました。
一般的には、おおかた10年ほど修行した後に約1年間御礼奉公をして独立したと言われています。優柔不断でなかなか独立に踏み切れず、挙句の果てに女房に逃げられたという設定の、藤沢周平の『よろずや平四郎活人剣』(文春文庫)に出てくる芳次郎という大工 もいます。
現代で鳶職人というと、一般的に高所での作業を専門とする職人のことを指します。どの業者よりも先に現場に向かい、仮囲い(工事現場の柵)を組み、鉄骨を組んでいく。最初に現場入りし最後に現場を去ることから「建設は鳶に始まり鳶に終わる」と言われています。さらに作業の種類や職業などによって足場鳶、重量鳶、鉄骨鳶、橋梁鳶などに分けられます。
『WORKERS TREND』, (参照 2020-9-25)
https://ncode.syosetu.com/n3190eu/13/
https://build-up.jp/work/338/
http://ashiba-best-partner.co.jp/magazine/ashiba-tobi/
https://wawawork.work/workerstrend/license/211/
岡村直樹(2018)『時代小説がもっとわかる!江戸「仕事人」案内』天夢人
石井明(2016)『江戸の風俗事典』東京堂
2019.03.26
墜落制止用器具-ハーネスの選び方
安全帯に関する政令が改正されて、約1か月たちました。
新規格の墜落制止用器具
(ハーネスとランヤード)も
だいぶ出そろってまいりましたが、
売れたので再注文しましたら、
次入ってくるのが、
10月ですって...!?
うおーぉォ なんちな!
現場のニーズに比べると、
商品が間に合ってない状況です
ただ、まだ旧規格のハーネスもご使用になれますし、、
お近くの作業着屋さん、
またはネットショップなど、
どこかには必ず在庫してありますので、
お急ぎの方は問い合わせしてみてください。
あ、こっち?
ハーネスの選び方~書いてみました~
ご参考になされてくださいませ
①体にあったものを選ぶ。
まず身長と体重でサイズを選びます。
サイズの目安というものが説明書や箱に書いてあります。
ツヨロンさんの箱から引用しました。
身長175cm、体重75kgの方はMサイズ。
この辺を基本にしてみられるといいのではないでしょうか。
あとは、同じ身長体重でも座高や足の長さなどでサイズが異なる場合もございます。
サイズ選びは安全性を確保するうえで重要なポイントだと思いますので、慎重にお選び下さい。
②背中の形状(Y型orX型)
ランヤードの接続部分からまっすぐ下に1本のびているのがY型。ランヤードの接続部分で交差しているのがX型です。
Y型は見てのとおり、面積が少ないので、
その分、腰道具をぶら下げることができます。
また、体に接触する部分がすくないため、夏はXに比べると暑くないという噂もあります。
X型は見た目の安全性でしょうか。
安全性は試験で結果がでているので、YでもXでもどちらでもいいような気がしますが、
個人的にはですね、
X型のハーネスはかっこいい!
(理由が不純なので、小さく、でも主張したいので太字で書きました!ウシシ)
右と左のバランス、
左右対称のところがおちつきます!
以上でございます。
③腿ベルト部分の形状(水平型かV型か)
腿ベルトの形状も2タイプあります。
V型モデルは3Mのハーネス。
こちらはしっかりホールド感があり、
水平型は余裕があります。
鳶を着用している方は鳶服のフォルムにも関係するのか水平型を
お選びいただいております。
ただ、ストレートのパンツを着用している方も
当店ではほぼ水平タイプを購入されます。
作業されるときにどう感じるか、着用感なので、好きか嫌いかでお選びいただいていいかと思います。
④腿ベルトの装着
腿ベルトを装着するときワンタッチバックルかパススルータイプがあります。
ワンタッチタイプは簡単に着脱できますが、その分重量があります。
パススルータイプは金属部分が軽いのが特徴です。
⑤各メーカーさんの比較、特長
当店での取り扱いメーカーは
サンコーさん、
ツヨロンさん、
椿モデルさん、
タジマさんが主です。
メーカーによってもそれぞれの得意分野などで、
特長がかわってくると思います。
椿モデルさんはかなり早い段階からハーネスを仕込んでましたので、
法令改正に合わせて、びしっと商品をそろえてきました。
シンプルで調整可能。
自分仕様にあわせることができます。
また、コスト重視です。
椿モデルHYF2
椿モデルHYF1
ツヨロンさんは、すぐに使えるようランヤードとのセットの種類が多いです。
三つ打ちのランヤードとのセットは、あまり使用しないけどとりあえず持っておこうという方にはいいかもしれません。
ランヤードは単体で販売していますが、リール式は巻き戻るタイプが多い中、途中で長さを設定できるなどランヤードはこだわってます。
ツヨロン ライトハーネス
ツヨロン ワンハンドリトラ
タジマさんは
ハーネスとランヤードのセット、
ハーネスだけ、
ランヤードだけ。
色も
黒、
白、
赤で揃ってます。
コスパ重視のもあるかと思えば、アルミなど素材にこだわった
商品も。
縫製箇所が多くこだわりの商品といった感じです。
ハーネス関連の商品も多いので、(腰当てや、肩パッドの種類も豊富です)、
いろいろとカスタマイズするにはいいかもしれません。
タイタンさんは、安定のといいますか、当店のお客様は指名買いが多いです。
新規格がでているにも関わらず、旧規格の方が着慣れているからと、迷わずそちらを買っていかれます。
鳶さん仕様の江戸鳶に加えて、
新しくでたPANGAEA(←まだアップしてないので、旧規格です)
すたいりっしゅ。